すっきりと洗練された「モダンな外構」。多くの方が憧れる響きかもしれません。無駄のない、落ち着いた佇まいは、住まう人の暮らしに静かな豊かさをもたらしてくれます。
しかし、その一方で「いろいろとこだわったはずなのに、なぜか落ち着かない空間になってしまった」「物を置きすぎて、かえって窮屈に見える」といったお声も、実は少なくありません。
なぜ、理想と現実の間にこのような隔たりが生まれてしまうのでしょうか。
その理由は、決してセンスの問題ではないのです。
多くの場合、良かれと思って取り入れた様々な要素がお互いに主張しすぎてしまい、全体の調和を乱していることに原因があります。おしゃれな素材、存在感のある門柱、たくさんの種類の植栽。一つひとつは素敵なものでも、それらを「足し算」していくだけでは、本当に心地よい空間は生まれないのかもしれません。
そこで大切になるのが、「引き算」という考え方です。本当に必要なものは何かを見極め、余計なものを丁寧に削ぎ落としていく。そうすることで、これまで見えなかった空間の広がりや、素材そのものの美しさが姿を現しはじめます。
暮らしの課題から見えてくる、理想の外構のかたち
浜松市内でモダンな外構をご希望されるお客様から、実際にいただくことの多いお悩みがあります。それは、見た目の美しさだけでなく、日々の暮らしに根差したとても切実なものです。
「開放感がほしいけれど、お隣や道路からの視線はどうしても気になる」という、プライバシーとの両立。塀や壁で完全に囲ってしまえば安心かもしれませんが、それでは圧迫感が出てしまい、空が狭く感じられてしまいます。
「建物はとてもシンプルに建てたので、外構だけが派手になって浮いてしまうのは避けたい」という、住まい全体で見たときの調和に関するお悩みもよく伺います。
外構は建物と地面の間に存在する、いわば「つなぎ役」です。ここがちぐはぐだと、家全体の印象がまとまりのないものになってしまいます。
そして、駐車場やアプローチ、ポストや照明といった、暮らしに欠かせない「機能」を、どうすればすっきりと美しく、かつ使いやすく配置できるのか、というご相談も後を絶ちません。
こうした一つひとつのお悩みに真摯に向き合い、解決策を探っていくと、自ずと理想の外構のかたちが見えてきます。それはただ流行のデザインを当てはめるのではなく、お客様の暮らしそのものから、丁寧に紡ぎ出されていくものなのです。
「引く」ことで「際立つ」。価値を生み出すデザインの考え方

参考事例:「浜松市で叶えるモダン外構 【浜松市外構】」
では、具体的な「引き算」とはどのような考え方なのでしょうか。それは、単に要素を減らして質素にするということではありません。
むしろ本当に大切なものを主役にするために、それ以外の要素がそっと引き立て役に回るような積極的な空間づくりの手法です。
一つ目の価値は、空間に「余白」が生まれることです。
例えばポストや表札、インターホンといった機能を、スマートな一本の機能門柱に集約してみる。それだけで玄関周りの壁や地面に余白が生まれ、視線がすっと抜けるようになり、実際の面積以上に空間を広く感じさせてくれます。この心理的なゆとりが、日々の暮らしに落ち着きをもたらします。
二つ目は使う「色」と「素材」を丁寧に絞り込むことで、建物との一体感を高めるという価値です。
外構で使う色は、建物の外壁や窓枠で使われている色の中から選び、全体で三色以内にとどめる。
素材も、コンクリート、金属、木材といったように、種類を限定する。そうやって情報量を減らすことで、それぞれの素材の持つ質感や美しさがかえって際立ち、建物と外構がひとつの大きな建築物であるかのような、調和の取れた風景が生まれます。
そして三つ目は過度な装飾を削ぎ落とすことで、光や影、そして植物の緑といった、自然そのものの美しさを主役にするという考え方です。
シンプルな壁は、太陽の光を受けて時間と共にその表情を変え、夜は照明によって美しい陰影を描き出します。厳選された一本の樹木は季節の移ろいを知らせてくれる、何よりの装飾となるのです。
細部に宿る配慮。心地よさを生み出すための工夫

参考事例:「モダンな外構デザインで魅せる、上質な住まいづくり 【浜松市外構】」
引き算のデザインは、決して手を抜くことではありません。むしろ、一つひとつの要素が持つ意味を深く考え、丁寧に配置していく、細やかな配慮の積み重ねによって成り立っています。
例えば、プライバシーを守るための「壁」や「フェンス」。
ただ高く、隙間なく作ってしまうと、たしかに外からの視線は遮れますが、同時に光や風までも遮断してしまい、空間に圧迫感を与えてしまいます。そこで私たちは、壁にリズミカルな隙間(スリット)を設けたり、素材を部分的に変えたりすることで、視線は適度に遮りながらも、心地よい光と風が通り抜ける「軽やかさ」を大切にしています。
駐車場とアプローチといった、機能が異なる空間の「境界線」にも工夫を凝らします。コンクリートブロックでくっきりと区切るのではなく、あえて同じ素材で一体的につなげ、その間に砂利や植物のラインを入れる。そうすることで、境界は緩やかになり、空間全体に連続性と広がりが生まれます。
そして、住まいの表情を大きく左右するのが「照明」です。
照明は、夜道を明るく照らすという安全面の役割だけでなく、空間を演出する大切な要素。植栽の足元から壁をそっと照らし上げれば、昼間とは違う陰影が生まれ、幻想的な雰囲気を醸し出します。
低い位置からの光は、人の心を落ち着かせ、空間に奥行きを与えてくれます。こうした細やかな工夫の一つひとつが、日々の暮らしの中に、静かで豊かな時間をもたらしてくれるのです。
良いデザインは、丁寧な「対話」から生まれる

ここまで、モダンな外構をつくるための考え方についてお話ししてきました。では、自分たちの理想を形にしてくれるパートナーは、どうやって見つければよいのでしょうか。
私たちは、その鍵は「対話」にあると考えています。
まず大切なのは、こちらの質問や疑問に対して、「なぜこうするのか」という設計の意図を、言葉を尽くして説明してくれるかどうかです。
ただ「こちらがお勧めです」と完成イメージを見せるのではなく、なぜこの素材を選んだのか、なぜこの高さや配置にしたのか。その一つひとつに明確な理由があり、お客様が心から納得できるまで、じっくりと向き合ってくれる。
そんな誠実な姿勢こそが、信頼できるパートナーの第一条件ではないでしょうか。次に、私たちの暮らしの中に潜む、言葉にならない「不便」や「不安」に、じっくりと耳を傾けてくれるかどうかも重要です。
「雨の日に、濡れずに車から玄関まで行きたい」
「将来、車椅子を使うことになっても困らないだろうか」
といった、日々の暮らしに根差した現実的な課題。
優れたデザインとは、こうした細やかな要望を丁寧に汲み取り、美しさと機能性を両立させながら解決してくれるものであるはずです。
そして最後に、長期的な視点を持っているかどうか。完成した瞬間が最も美しいのではなく、5年後、10年後と、家族の成長と共に味わいを増していく。
そんな、時間と共に育っていくような外構を提案してくれるかどうか。そのためには、素材の経年変化やメンテナンスのしやすさまで含めて、総合的に考えてくれる視点が欠かせません。
もし、ご自身の住まいの外構について、どこから手をつけていいか迷われているなら、まずは私たちとお話をしてみませんか。
【板屋建設の外構】https://www.itaya-inc.jp/exterior
住まいの価値を高める、本質的な空間づくり
モダンな外構づくりの本質。それは、高価な素材を使ったり、流行のデザインを追いかけたりすることではないのかもしれません。
住まう人の日々の暮らしに静かに寄り添い、本当に必要なものだけが、あるべき場所に、あるべき姿で存在する。そんな、穏やかで心地よい「空間」そのものを創り出すことにあるのだと、私たちは考えています。
余計なものを削ぎ落としていく「引き算のデザイン」は、ともすれば失われがちな、静けさや広がり、そして物事の本質的な美しさを、私たちの暮らしに取り戻すための、とても豊かで知的な営みです。
完成した時が、すべての始まり。お子様の成長と共に、選んだ一本の樹木がゆっくりと枝葉を伸ばし、コンクリートの壁には家族の歴史が少しずつ刻まれていく。
外構とは、そうやって家族の物語にそっと寄り添い、時間をかけてその味わいを増していく、かけがえのない舞台です。
あなたの住まいが、家に帰るたびに、もっと好きになる。そんな空間づくりの第一歩を、もしよろしければ、私たちとご一緒させていただけないでしょうか。
【お問い合わせはこちら】https://www.itaya-inc.jp/contact

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