すっきりと洗練された印象を持つモダンな外構。その無駄のない美しさに憧れて計画を進めたものの、完成してみると「思っていたよりもずっと殺風景になってしまった」「シンプルすぎて、かえって寂しい印象がする」といった結果に終わることも少なくありません。
なぜ、このような理想と現実の隔たりが生まれてしまうのでしょうか。

参考事例:「洗練されたデザインと高機能を兼ね備えた、ライティングで魅せる新築外構 【磐田市外構】」
多くのケースでその原因となっているのが、「引き算のデザイン」という考え方への偏りです。モダンなスタイルを追求するあまり、装飾的な要素をとにかく減らしていくことに意識が向きすぎてしまうのです。
もちろん、不要なものを削ぎ落としていく作業は、洗練された空間を作る上で非常に重要です。しかし、その引き算のプロセスだけでは、上質な空間は生まれません。
本当に大切なのは、引き算をした後に残った空間に、何を「質の高い要素」として足し算していくか、という視点です。
例えば、素材が持つ本来の質感、光と影が織りなす陰影、そして建物と庭をつなぐ植栽の配置。これらは決して過剰な装飾ではありません。むしろ、空間の質を本質的に高めるために不可欠な要素です。
ただ何もない空間が「モダン」なのではなく、計算され尽くした質の高い要素が、互いに引き立て合うことで生まれる調和こそが、真のモダンデザインと言えるでしょう。引き算の先にある、質の高い足し算。この視点を持つことが、殺風景なだけの空間から脱却し、心から満足できる外構を実現するための第一歩となるのです。
素材の個性を知る。コンクリートと金属が持つ光と影

参考事例:「モダンな外構デザインで魅せる、上質な住まいづくり 【浜松市外構】」
質の高い足し算を考える上で、その出発点となるのが「素材」への深い理解です。モダンな外構で主役となることが多いコンクリートや金属は、その特性を正しく理解して使わなければ、意図しない結果を招くことがあります。それぞれの素材が持つ光(長所)と影(短所)の両面を知ることが、質の高い空間作りには欠かせません。
コンクリートが持つ独特の表情と注意点
コンクリートは、その平滑で無機質な表情が、都会的で洗練された印象を与えてくれる素材です。耐久性が高く、比較的コストを抑えやすいという実用的な側面も持ち合わせています。
しかし、その一方で、多用しすぎると建物全体が冷たく、人を寄せ付けないような重い雰囲気になってしまうことがあります。特に、広い面積をコンクリートだけで覆ってしまうと、夏場の照り返しが強くなるという機能的な問題も無視できません。
コンクリートの魅力を最大限に引き出すには、その無機質さを「味」として活かしつつ、どこかでその硬さを和らげる工夫が必要になるのです。
空間を引き締める金属素材の役割
門扉やフェンス、手すりなどに使われるアルミやスチールといった金属素材は、そのシャープな直線が空間全体を引き締め、すっきりとした印象を際立たせる効果があります。一方で、光沢の強いものや無骨なデザインのものを選ぶと、どこか工業的で落ち着かない雰囲気になってしまう可能性も否定できません。また、素材によっては経年による錆びへの配慮も必要です。金属はあくまで空間のアクセントとして、全体の調和を考えながら慎重に取り入れるべき素材と言えるでしょう。
解決の鍵は「異素材」との対話
では、どうすればコンクリートや金属の持つ冷たさや硬さを和らげることができるのでしょうか。その最も有効な手段が、質感の全く異なる「異素材」を組み合わせることです。

参考事例:「毎日を快適にお過ごしいただけるお家づくり 【浜松市外構】」
素材選びで失敗しないためには、カタログだけでなく、ぜひ実物のサンプルに触れてみてください。光の当たり方による色の見え方の違いや、手で触れたときの質感は、小さなサンプルではわからないことが多いものです。
もちろん、選ぶ素材によって費用は大きく変動します。例えば、風合い豊かな天然木は高価になりますが、最近では本物に近い質感でメンテナンス性に優れた人工木もあり、コストを抑えながら理想の雰囲気を実現することも可能です。ご予算に応じて最適な素材をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
▶︎ 当社のモダン外構の施工事例はこちらでも、様々な組み合わせをご覧いただけます。
夜の表情を設計する。照明計画という専門領域

参考事例:「夜の外構も美しく魅せる外構商品 【浜松市外構】」
素材選びと並んで、空間の質を大きく左右するもう一つの重要な要素が「光」の計画です。昼間の太陽の下で見る外構の姿と、夜の照明に照らされた姿は、全く異なる表情を見せます。多くの人にとって、外構の照明は夜間の安全確保や防犯といった実用的な目的が主だと思われがちです。しかし、光の役割はそれだけにとどまりません。計算された照明計画は、夜の庭を昼間以上に魅力的で価値のある空間へと変貌させる力を持っています。
ただ闇を照らすのではなく、光と影を巧みに操り、夜ならではの美しい景色を創り出す。この「光を設計する」という視点を持つことが、上質なモダン外構を実現するための次なるステップです。
照明の役割は「明るさ」だけではない
夜、家に帰ってきたときに玄関周りがほんのりと明るいと、人は自然と安らぎを覚えます。これは、単に明るいからという理由だけではありません。適切に配置された光は、心理的な安心感や、空間の広がりを感じさせる効果を持っています。
例えば、庭全体を煌々と照らすのではなく、いくつかのポイントに絞って光を当てることで、闇との対比が生まれ、かえって空間に奥行きと静けさが生まれます。照明計画とは、単に器具を取り付ける作業ではなく、光の性質を理解し、人の心に働きかける効果を計算しながら、夜の時間を豊かにするための空間演出そのものなのです。
光で描く、壁や植栽の新たな表情
具体的な手法として、植栽や壁を下から照らし上げる方法があります。昼間には気づかなかった木の葉一枚一枚の形や、壁の持つ独特の質感が、光によってくっきりと浮かび上がり、印象的な影を落とします。この影が、のっぺりとしがちな壁面に立体感と生命感を与えてくれるのです。
また、アプローチや階段の足元を優しく照らす光は、安全性を確保すると同時に、歩く人の視線を自然に玄関へと導いてくれます。それはまるで、我が家へと続く光の道しるべのようです。
「光の設計」という専門的な視点
これらの効果を最大限に引き出すためには、どこに、どのような種類の光を、どのくらいの強さで、どの角度から当てるか、といった専門的な知識と経験が不可欠です。
また、照明器具そのものが悪目立ちしないように隠したり、まぶしさを感じさせないように光の向きを調整したりといった細やかな配慮も、空間の質を高める上では非常に重要になります。ただ明るくするだけなら誰にでもできます。しかし、闇の中に美しい光景を浮かび上がらせる「光の設計」は、専門家ならではの領域です。考え抜かれた照明計画によって、夜の外構は、家族だけの特別な時間を過ごすための、もう一つのリビングとなるのです。
デザインは外構だけで完結しない。建物との一体感を創出する手法
これまで、素材や光といった外構を構成する内部の要素について考えてきました。しかし、どれだけ上質な素材を使い、巧みな照明計画を施したとしても、それだけでは片手落ちになってしまうことがあります。それは、建物本体との間に調和がとれていない場合です。
外構はそれ自体が独立した作品なのではなく、あくまで建物と一体となって初めてその価値が完成します。家と庭、それぞれが互いを引き立て合い、敷地全体で一つの美しい景色を創り出しているか。この視点を持つことが、一時的な流行に左右されない、普遍的な価値を持つ外構を実現するために不可欠となります。
外構計画は、庭の中だけで考えるのではなく、常に建物との関係性の中に答えを探していくべきものなのです。
なぜ「一体感」が重要なのか
建物と外構のデザインがちぐはぐだと、見る人にどこか落ち着かない、まとまりのない印象を与えてしまいます。例えば、重厚でクラシックなデザインの洋風住宅に、直線的で無機質なモダン外構を組み合わせると、互いの長所を打ち消し合ってしまうでしょう。
この一体感は、偶然生まれるものではありません。逆に、建物と外構にデザイン上の連続性があると、敷地全体が実際よりも広く、ゆったりと感じられるようになります。また、外構が建物の魅力を引き立てることで、建物そのものの風格や価値までもが高まって見えるという効果も生まれます。一体感のある外構は、ただ美しいだけでなく、住まいの資産価値をも静かに高めてくれる存在と言えるのです。
調和を生むための具体的な着眼点
では、具体的にどのような点に注意すれば、建物との一体感を生み出すことができるのでしょうか。基本的な考え方は、建物で使われているデザイン要素を、外構にも「連携」させることです。
一つ目は「色彩の連携」。外壁や玄関ドアの色を、外構のフェンスや門柱に反映させます。
二つ目は「素材感の統一」。建物に使われている素材と共通の、あるいは親和性の高い素材を外構にも用います。
そして三つ目が「線の連続性」。建物の水平・垂直ラインを、外構のデザインに反映させることで、視線がスムーズに流れ、安定感が生まれます。
▶このようなプランニングへのこだわりについてはこちらでもご紹介しています。
俯瞰で捉える視点の必要性
これらの細やかな調整を行うには、庭先だけの視点では不十分です。時には道路の反対側に立ってみるなど、一歩も二歩も引いた場所から敷地全体を客観的に眺める「俯瞰(ふかん)」の視点が必要になります。
部分的なデザインの良し悪しに一喜一憂するのではなく、建物と庭、そして周囲の環境を含めた大きな景色の中で、そのデザインが本当に調和しているのかを常に自問自答すること。その冷静な視点こそが、真に美しい一体感を創り出すための羅針盤となるのです。
完成後には見えない部分にこそ、会社の姿勢は表れる
これまで、素材、光、そして建物との調和という、理想の外構を構成するためのデザイン的な視点について考えてきました。しかし、どれほど素晴らしい計画を立てたとしても、それが最終的に質の高い「かたち」として実現されなければ、全ては絵に描いた餅に終わってしまいます。
デザインや設計が「計画」の段階だとすれば、それを現実世界に作り上げていく「施工」の段階もまた、同等かそれ以上に重要です。そして、依頼先の本当の実力や姿勢は、完成後には見えなくなってしまう部分の仕事ぶりにこそ、色濃く表れるものなのです。
ここでは、長期的に満足できる結果を得るために、信頼できる依頼先をどう見極めるべきかについて考えていきます。
見極めるべきは「提案力」だけではない
外構会社を選ぶ際、多くの人はデザインの提案内容や、担当者の人柄、提示される金額などに注目します。これらはもちろん重要な判断材料です。しかし、それだけで判断を下すことには大きな危険が伴います。
特に、複数の会社から見積もりを取った際に、一社だけが極端に安い金額を提示してきた場合は、注意が必要です。その安さの裏には、本来あるべき材料が省略されていたり、手間のかかる工程が省かれていたりする可能性があるからです。
会社の本当の価値は、華やかな提案資料や価格の安さにあるのではなく、むしろ見えにくい「現場の品質」にこそ宿るという視点を忘れてはなりません。
信頼できる依頼先選び、3つの視点
では、私たちはどうすれば、その見えにくい部分の品質を見極めることができるのでしょうか。いくつかの客観的な視点があります。
一つ目は、過去の施工事例の「細部」に注目することです。全体の雰囲気だけでなく、例えばタイルの目地がまっすぐに揃っているか、コンクリートの角が欠けることなく綺麗に処理されているか、といった部分を意識的に見てみましょう。
二つ目は、対話の中で「できないこと」や「デメリット」についても正直に説明してくれるかどうかです。顧客にとって不都合な情報も隠さずに伝える姿勢は、誠実さの証です。
そして三つ目が、外構の寿命を左右する「見えない部分」へのこだわりを、担当者が自らの言葉で語れるかどうかです。例えば、ブロック塀の基礎となる鉄筋の配筋。これは完成後には決して見えませんが、その構造が、十年後、二十年後の強度を決定づけます。
私たちは、浜松市の公共工事で求められる厳しい基準をクリアしてきた実績があります。だからこそ、見えない部分の基礎工事に一切の妥協をしないことをお約束できるのです。
こうした見えない部分の重要性を深く理解し、そのこだわりに自信と誇りを持っているか。その一点を確認するだけでも、会社の信頼性はある程度判断できるはずです。
結局のところ、最後の決め手は「この人たちになら、大切な住まいの一部を安心して任せられる」と心から思えるかどうかです。技術や知識はもちろんのこと、その仕事に向き合う誠実な姿勢こそが、信頼できるパートナーの最も重要な資質と言えるでしょう。
外構とは、暮らしの質をデザインする行為である
これまで見てきたように、心から満足できるモダンな外構を実現するためには、多くの視点が必要となります。素材が持つ質感や光が織りなす陰影を理解し、建物と調和させ、そしてそれを確かな技術で形にする。これらの要素は、どれか一つが欠けても成立しません。デザインと技術が、車の両輪のように機能して初めて、空間は本質的な価値を持ち始めます。
そして、これらの議論の根底には、より大切なひとつの真実が横たわっています。それは、外構づくりとは単なる「ものづくり」ではなく、そこに住む人の「暮らしの質をデザインする」行為である、ということです。美しく整えられた庭は、日々の生活に安らぎと潤いを与え、家族が集う時間をより豊かなものへと変えてくれます。
では、その価値を実現するために、具体的にどのくらいの投資が必要になるのでしょうか。
例えば、一般的な広さ(30〜40平米程度)の新築モダン外構で、門柱、アプローチ、駐車場、フェンスなどを含む一式工事の場合、150万円~300万円あたりがひとつの目安となります。
※ご注意ください
上記の価格はあくまで一例です。費用は土地の状況、使用する素材のグレード、工事の範囲によって大きく変動します。正確な金額は、お客様のご要望を詳しくお伺いした上で、無料でお見積もりを作成いたしますのでご安心ください。
大切なのは、金額の多寡だけで判断するのではなく、その費用によってどのような価値がもたらされるのかを考えることです。
そして、自分たちが大切にしたい価値観を共有し、長期的な視点に立って、真摯に暮らしづくりと向き合ってくれる相手かどうかを見極めること。それこそが、十年、二十年と時を経ても色褪せることのない満足感を得るための、最も確かな道筋と言えるでしょう。
▶︎ 私たちの外構づくりへの想いと、ご相談から完成までの流れ
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